ふくしま復興塾と自分、そして水田の風景に故郷を感じる

5月17日、18日と「ふくしま復興塾」という若者向け人材育成プロジェクトに参加してきました。この塾では、各分野の専門家を招いて講義を行ったり、県沿岸部にフィールドワークに行ったりするカリキュラムを通じ、福島の課題解決の事業立案を行います。2013年に開講され、今年で2年目です。昨年の活動の模様は朝日新聞の社説に取り上げられました(2014年1月13日付)。塾の発起人にはぴあ会長の矢内廣氏やジョルダン代表取締役社長の佐藤俊和氏が名を連ねています。塾自体は今月5月にはじまり、11月まで続きます。

今回は福島県青少年会館でのスタートアップ合宿(1泊2日)でした。1日目は主催者・来賓あいさつやチームごとの福島復興への思い共有、1期生(2013年度受講生)の活動報告などを行いました。2日目は株式会社umariの木戸寛孝氏(丸の内朝大学、六本木農園などのコンセプトワークを行っています)と、株式会社イワ・クリエイティブ代表取締役の松田創氏。木戸氏は「4年目を迎えた今、復興に求められる新たな手法と世界観~イノベーションとは何か?」について、松田氏は「クリエイティブシンキングの実践」「アクションプランの作成」について講義を行いました。お二方の講義の内容が非常に非常に濃密で、この記事を書いている時点でもまだ消化しきれていません。自分の言葉にできるまで、何度も資料を読み砕きたいと思います。

 

さて、このような塾に参加する人は、さぞ「福島のために動きたい!」という意識を持つ人たちが集まると思われるかもしれません。しかしながら、そのような意識は往々にして”上目線な考え方”であることをはじめに記しておきます。まずは「自分の成長」こそ第一目的であり、一緒に参加する仲間と切磋琢磨していきながら「自分のやりたいこと」を実現していくことが塾に参加するモチベーションなのです。

なぜこのような書き方をしたのかというと、「福島のため」という視点で始めてしまうと、受講する姿勢やアウトプットが「他人事」になってしまう恐れがあるから。例えば、予備校に通う動機が「社会のため」「地域のため」という人はおそらくいないでしょう。塾というのは自分事を磨く場所です。私たちは自己の成長のために、塾に”先行投資”をするわけです。

また、復興という言葉を使うと、震災被害を受けた地域を震災前の状態に戻す、という意味に捉える人もいると思いますが、それも違うと思います。福島は震災前から少子高齢化と過疎の進む地域です。震災前の状態に戻ったからといって持続可能な社会が福島で維持できるとも思えません。震災被害からの回復というよりは、「将来全国各地で起こるだろう社会問題を全国に先立って解決していく」と言い換えたいと考えています。もし福島から解決策がたくさん生まれれば、全国のほかの地域でも応用が可能になります。福島の事例が、全国の社会問題を解決することになるかもしれません。

実際、1期生卒業者からは、福島の食をブランディングする「福島に“つながる”弁当」、飲食店街をUIターンの飲食店を集めた「夜明け市場」といった事業が生まれています。このような事例が、全国の自治体に注目される「先進事例」として紹介されていることはとても有意義なことであると考えます。2期(つまり私の代)からはどのような事例が立ち上がるのか、そして私はどのようなアウトプットを残せるのか、今から楽しみで仕方ありません。

 

ところで、福島では今の時期、田んぼに水が張られます(下の写真を参照)。福島市に住んでいた10代の頃はありふれた風景でしたが、29歳になった自分には情緒的なものに映ります。あれほど東京での生活に憧れていた10代の頃にはわからなかった地元・福島の良さに、今更ながら気付きました。震災と原発被害が起こっても、私の故郷は福島です。私にできることは非常に限られているので、仕事の出来る人をどんどん巻き込んで、故郷に恩返しができたらこれ以上嬉しいことはありません。

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