ナイナイのオールナイトの終了と「悪い人」がいなくなる現実

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8月21日深夜の「ナインティナインのオールナイトニッポン(ANN)」放送間際、ナイナイの2人から突然告げられた番組終了のお知らせ。あまりに突然すぎて言葉が出ませんでした。94年から放送を開始し、6月19日には放送1000回を突破、ANN最長パーソナリティとして木曜1部(25時~27時)を支えてきた番組が、終わります。終了の経緯などは8月28日の放送で明かされる予定です。

初期のナイナイはテンション高かった

私がナイナイのANNを聴き始めたのは、確か1999年(中学2年生)の頃。当時はインターネット黎明期でネット上には今ほどコンテンツもなく、テレビかラジオか本くらいしか娯楽がありませんでした。99年といえば、ちょうどナイナイの番組がテレビのゴールデンに進出して2年くらい経過しており、ナイナイの人気も知名度も安定し始めた時期。私はナイナイのファンとしてラジオを聴き始めました。

90年代のナイナイは、今ほど落ち着いておらず、とにかく毒を吐くかテンションで乗り切ろうとするかのどちらかでした。まあ、それが面白かったんですが。今YouTubeなどで90年頃の音源を聴くと、やけにテンションが高いのがわかります。そう考えると、最近のナイナイのトークは本当に落ち着きましたね。そりゃあ私も30歳目前になるわけです。

悪い人の夢

私がナイナイのANNで一番好きだったのが、「悪い人の夢」のコーナー。岡村の「夢見ました」からはじまる、特定の有名人・芸能人をネタにしたコーナーです。時事ネタに被せたり、前週までにナイナイのANNで起きた出来事・ナイナイが話した内容をもとに、コント形式で展開されます。長寿番組のためか、ヘビーリスナーにしかわからないネタも多く、コアなファンや業界人のほうがウケが良いコーナーでもありました。

特に「悪ジャネット」や「悪古舘伊知郎」ネタが好きでした。ジャネットは完全なる下ネタなので、詳しいことは書けませんが、とにかくツボです(もし興味のある方は、YouTubeで「最低な替え歌」と検索してください)。悪古舘伊知郎の似非ジャーナリスト的な風刺もヘビーリスナーを唸らせます。

実は僕もハガキを投稿していました(99年~01年)。今考えるとアバンギャルドすぎるネタが多かったですね。ハガキの表面を色鉛筆で塗って送ったこともありました(もちろん読まれることはありませんでしたが)。懐かしい思い出です。

ハガキ職人にしてみれば、悪い人の夢は自由度が高い分、難しいのです。たとえば明石家さんまだったら、明石家さんまが言いそうな口調や話の持って行き方を完全にコピーしなければ成立しませんし。別に関西人でもないのに「ショーミ」とかふんだんに使っていました。本当、ネタって難しい。

悪い人がいなくなる風潮

ネットが隆盛を極め、ラジオで言ったことがすぐにネットに飛び火するようになったのは最近のこと。いつしか、岡村や矢部が言ったことが、すぐにヤフトピに入ったりするようになりました。そうなると、ナイナイも自由に毒を吐けなくなります。まさに言いたいことも言えない世の中です。ポイズン。

悪い人の夢をはじめとするコーナーって、あくまでも「ネタ」ですからね。もちろん一定の倫理観は必要ですけれど、愛のあるイジリは笑いの基本なので…。だから、どんどんナイナイが丸くなっていくのには寂しさを感じていました。最近は「昔はもっと過激だったじゃん!」と思いながらラジオを聴くことが多かったのです。悪い人の夢なのに、悪い人がいなくなる。それがナイナイのANN終了の遠因なのではないかとまで思ってしまいます。

悪い人がいないという潔癖さに嫌悪

すべての人が毒を吐けるというわけではないですが、一定数毒を吐く人がいないと、コンテンツも面白くないんですよね。今を時めく人だと有吉さんでしょうか。テレビやラジオって、一流の人がわいわいやっているだけじゃつまらない。その作られた雰囲気の中で、「いや、おまえプライベートじゃそうじゃないだろ」みたいな毒を吐ける人の存在がいないと、視聴者も共感しにくい。だから有吉さんって貴重なんです。あの人、相当ひどいこと言ってるけれど、栄光と転落を経験した経歴と、毒を吐いたあとの笑顔で許容されている。ナイナイも「毒を吐ける人たち」なんでしょうね。

ナイナイはどこで毒を吐くのか

ナイナイはテレビであまり毒を吐きません。ショーミ、ラジオぐらいでしか毒を吐いていませんでした。ナイナイのラジオが終わるということで、彼らは今後、どこで毒を吐くのでしょう? 「ゴチになります」はファミリー向けですし、「めちゃイケ」はBPOから監視されていますし。そこがいちファンとして心配している点です。

特に岡村さんが心配。彼は本当はテンションが低いのに、テンション高いキャラとして売れてしまったわけですから、相当な無理をしているんでしょう。そりゃあラジオで毒を吐きたくなるわけです。そのラジオが無くなったら、言いたいことが言えなくなるかもしれない。だから岡村さんには、ぜひネットで毒を吐いてほしい。Twitterも始めてほしい。たぶん岡村さんは毒を吐いてもいい人だから。

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